朝、保育室に入った子どもが辺りを見回します。積み木をしている友だち、絵を描いている子、絵本を眺めている子。「今日は何をしようかな」と考え、自分で遊びを選ぶところから一日が始まることがあります。幼児期には、大人から与えられたことに取り組むだけでなく、自分で興味のあるものを見つけ、選び、やってみる経験も大切です。子どもたちがどのような日常を過ごしているのか気になる方は、大和高田の認定こども園の毎日を見てみることで、毎日の保育をイメージするきっかけにもなります。
「好きなものを選ぶ」と聞くと、とても簡単なことのように思えるかもしれません。
しかし、子どもにとっては小さな判断の積み重ねです。
積み木にするか。
絵を描くか。
友だちのところへ行くか。
一人でもう少し遊ぶか。
自分が今何をしたいのかを考え、行動に移します。
最初は、なかなか決められない子もいます。
友だちが遊んでいる姿を見ながら、しばらく立っている。
気になる玩具へ手を伸ばしては、また戻る。
そんな時間も無駄ではありません。
「何をしたいかな」と自分の気持ちを確かめている途中だからです。
大人がすぐに「これをしたら?」と決めてしまえば、遊びは早く始まるでしょう。
けれど、少し待つことで、子ども自身が「これにする」と決める瞬間が生まれます。
自分で選んだ遊びだからこそ、集中が続くこともあります。
積み木を選んだ子が、最初は一つずつ重ねていたとします。
うまく積めるようになると、次はもっと高くしたくなる。
高くすると倒れる。
今度は下を広くしてみる。
自分から始めた遊びの中では、次にやりたいことも自分の中から生まれていきます。
「どうしたらいいのだろう」
その疑問に、すぐ答えが与えられるわけではありません。
試してみる。
失敗する。
少し考える。
またやってみる。
こうした繰り返しそのものが、子どもにとって大切な経験になります。
途中から友だちが加わることもあります。
「一緒に作っていい?」
そこから遊びは、一人で考えるものから二人で考えるものへ変わります。
自分は塔を作りたい。
友だちは道路を作りたい。
二つの考えをどう組み合わせるか。
子どもたちは遊びながら相談し、ときには意見が合わず、また考えます。
自分で選ぶということは、何でも一人ですることではありません。
自分の気持ちを持ちながら、周囲の人と関わっていくことでもあります。
そして、「選ばなかったもの」が翌日の興味につながることもあります。
昨日は友だちが粘土をしている姿を見ていただけだった。
今日は自分から粘土を手に取ってみる。
先週は絵本ばかり読んでいた子が、今週は外遊びに夢中になる。
子どもの興味は固定されたものではなく、日々変化していきます。
だからこそ、さまざまな遊びや経験に出会える環境が大切になります。
保育者は、何でも自由に任せて見ているだけではありません。
子どもが興味を持ちそうなものを用意する。
安全に遊べる環境を整える。
困っているときには少し手を貸す。
新しい遊びへ広がりそうなときには、材料を加えてみる。
子ども自身が選び、考える余地を残しながら、必要なところを支えていきます。
園生活では、みんなで同じ活動を楽しむ時間もあれば、それぞれが自分の興味に向かう時間もあります。
どちらか一方だけではありません。
みんなと一緒に経験する楽しさと、自分で決める楽しさ。
その両方を行き来しながら、子どもは集団の中で自分らしく過ごす方法を見つけていきます。
今日、自分で選んだ一つの遊び。
そこから生まれた「もっとやりたい」「こうしてみたい」という気持ち。
幼児期に繰り返されるそんな小さな選択は、やがて自分で考え、自分から一歩を踏み出す力へとつながっていきます。
大人がすべての道を決めるのではなく、子ども自身が「こっちへ行ってみたい」と思える余白を大切にすること。そんな毎日の積み重ねも、園で過ごす時間ならではの魅力です。