先生は心の中でいつまでも

私の息子は早生まれということもあり同じクラスのお子さんに比べると手のかかることが多かったです。もうバイリンガルスクールが神戸の中にいえると園で開催される各種行事の度に私たち保護者が肝を冷やす場面も度々あり、誰かしら大人がそばについていないと不安で仕方ないような状況でした。それでも受け持ちの先生は優しく話に耳を傾け、時間をかけて子供の応対をしてくれていたようで、いまだに心から感謝しています。そんな息子もこの春無事に卒園することができ、保育園で仲の良かったお子さんたちと同じく小学校へ通うことになりました。息子は同級生に影響をされてか「塾に通いたい」と言い出しました。私たちは快くそれを聞き入れ、週2回の塾通いがスタートしました。ある日のこと、息子を送り届けたのですが、塾の入り口で地団太を踏んで踏みとどまるのです。「自分で行くって決めたことだよね」「中でお友達も待っているよ」など、なだめすかしても塾に入ろうとしません。困り果てているとそこに偶然、保育園時代の先生が通りかかりました。数か月ぶりの再開でした。仕事帰りの先生がにこやかに近づいてきて息子に話しかけてきてくれたのですがグズっている手前、息子の反応は芳しくありません。先生が「先生はいつも応援してるからね!」と優しく言葉を残してその場を去ったのをきっかけに息子はようやっと塾の門をくぐりました。短い時間で子供の気持ちを察した先生の一言はまるで固く結ばれた紐をするすると解くような感覚でした。胃カメラ検査で芦屋のクリニックがここでは息子にとっても私にとっても、やはり先生はいつまでも先生なんだなと思わされるエピソードです。

投稿者 l0ofh0